IT用語の英語・略語帳
MTBF・ACID・RFP などのIT略語を、Mean・Time・Between のように単語1つずつ日本語にして並べた一覧。英語が苦手でも意味からたどれます。
略語を「MTBF=平均故障間隔」と対で覚えると、MTTRと混ざります。 正式名称まで戻れば混ざりません。ただ、正式名称を見せられても読めなければ意味がないので、 このページでは Mean・Time・Between・Failures のように 単語を1つずつ分けて、全部に日本語を付けています。 英語の知識は前提にしていません。
略語(試験で意味そのものが問われるもの)
MTBF 平均故障間隔
Mean · Time · Between · Failures
- Mean 平均の 「意味する」の mean と同じつづりですが、ここは「平均」です
- Time 時間
- Between 〜と〜のあいだの
- Failures 故障(複数形) fail(失敗する・壊れる)+ ure(動詞を名詞にする語尾)+ s(複数)
そのまま並べると「故障と故障のあいだの、平均した時間」。つまり動いていた時間そのものなので、稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)の分子になります。
MTTR 平均修理時間
Mean · Time · To · Repair
- Mean 平均の
- Time 時間
- To 〜するまでの 「〜へ」の to です。ここは「直すまで」
- Repair 修理する リペア。カー用品店の「リペア」と同じ語です
「直すまでにかかる、平均した時間」。止まっていた時間なので、稼働率の式では分母にだけ足されます。Recovery(復旧)を使って Mean Time To Recovery と書く流儀もあります。
ACID ACID特性
Atomicity · Consistency · Isolation · Durability
- Atomicity 原子性 atom(原子=それ以上分けられないもの)から。「全部やるか、全部やらないか」
- Consistency 一貫性 consist(成り立つ)から。つじつまが合っている状態
- Isolation 独立性 isolate(切り離す)から。隔離病棟の isolation と同じ語
- Durability 耐久性 durable(長持ちする)から。工具の「耐久性」と同じ語
4つの性質の頭文字を並べただけで、acid(酸)という単語とは無関係です。トランザクションが満たすべき条件を問う定番の出題なので、4つを日本語で言えるようにしておきます。
RAID
Redundant · Array · Inexpensive · Disks
- Redundant 冗長な(余分に持っている) リダンダント。「無駄」ではなく「予備がある」という良い意味で使います
- Array 並び・配列 プログラミングの「配列」と同じ語です
- Inexpensive 安価な in(〜でない)+ expensive(高い)=「高くない」
- Disks ディスク(複数形)
「安いディスクを予備込みで並べる」が元の発想です。のちに Inexpensive の代わりに Independent(独立した)と書くことも増えました。どちらでも意味は通ります。
SLA サービスレベル合意書
Service · Level · Agreement
- Service サービス・提供する役務
- Level 水準・程度
- Agreement 合意・取り決め agree(同意する)+ ment(名詞にする語尾)
肝は Agreement が「合意」だという点です。目標ではなく約束なので、守れなければ責任が生じます。似た略語の SLM(Management=管理)と取り違えないように。
WBS 作業分解構成図
Work · Breakdown · Structure
- Work 作業
- Breakdown 分解・細分化 break(壊す・分ける)+ down(下へ)。「故障」の意味もありますが、ここは「分解」
- Structure 構造・組み立て
「作業を分解した構造」。大きな仕事を小さな作業に割っていく図なので、Breakdown を「分解」と読めれば意味がそのまま出てきます。
RFP 提案依頼書
Request · For · Proposal
- Request 依頼・要求 リクエスト。曲のリクエストと同じ語です
- For 〜を求めて
- Proposal 提案 propose(提案する)+ al(名詞にする語尾)
「提案をください、とお願いする書類」。よく一緒に出る RFI は Information(情報)で、こちらは「まず情報をください」の段階です。提案より前にあるのが RFI と覚えます。
BPR 業務プロセス再構築
Business · Process · Reengineering
- Business 業務・事業
- Process 工程・手順 製造業の「工程」と同じ語です
- Reengineering 作り直すこと re(もう一度)+ engineering(設計・工学)
re が付くと「もう一度」。既存の業務手順を、部分的に直すのではなく根本から作り直すことを指します。カイゼン(少しずつ良くする)との対比で問われます。
SCM 供給連鎖管理
Supply · Chain · Management
- Supply 供給・供給する
- Chain 鎖・つながり チェーン。自転車のチェーンと同じ語です
- Management 管理 manage(管理する)+ ment(名詞にする語尾)
「供給の鎖を管理する」。材料の調達から出荷まで、鎖のようにつながった流れを全体で見る考え方です。
MRP 資材所要量計画
Material · Requirements · Planning
- Material 資材・材料 マテリアル。原材料の「マテハン(material handling)」と同じ語
- Requirements 必要量・要求(複数形) require(必要とする)+ ment(名詞にする語尾)+ s
- Planning 計画すること plan(計画する)+ ing
「材料が、いつ、いくつ必要かを計画する」。生産計画から部品の所要量を割り出す仕組みで、そのまま日本語に訳せば「資材所要量計画」になります。
DNS ドメイン名システム
Domain · Name · System
- Domain 領域・範囲 ここでは「example.com」のようなインターネット上の名前のこと
- Name 名前
- System 仕組み
「名前の仕組み」。人が読める名前(www.example.com)と、機械が使う番号(IPアドレス)を対応させる仕組みです。電話帳にあたるもの、と考えると分かりやすいです。
OSI 開放型システム間相互接続
Open · Systems · Interconnection
- Open 開かれた・公開された 特定のメーカーに閉じていない、という意味です
- Systems システム(複数形)
- Interconnection 相互に接続すること inter(あいだ・互いに)+ connection(接続)
inter は「あいだ」。インターネット(inter+net)も同じ語です。「メーカーの違うシステムどうしをつなぐための取り決め」で、それを7つの層に分けたのが OSI基本参照モデルです。
SaaS サービスとしてのソフトウェア
Software · as · a · Service
- Software ソフトウェア
- as 〜として 小文字のまま略語に含まれる珍しい形です
- a 1つの(冠詞)
- Service サービス
「ソフトウェアを、買う物ではなくサービスとして使う」。同じ形で PaaS(Platform=土台)、IaaS(Infrastructure=基盤)があり、どこまでを借りるかの違いです。
TCP/IP
Transmission · Control · Protocol · Internet · Protocol
- Transmission 送信・伝送 transmit(送る)から。車の「トランスミッション(動力を伝える装置)」と同じ語
- Control 制御
- Protocol 取り決め・手順 プロトコル。外交の「儀礼」も同じ語で、「決められたやり方」という意味。TCP の P はこれ
- Internet インターネット inter(あいだ)+ net(網)=「網どうしをつないだ網」
- Protocol 取り決め・手順 同じ Protocol がもう一度出てきます。こちらは IP の P
2つの取り決めの名前をスラッシュで並べたものです。TCP が「確実に届けるための制御」、IP が「どこへ送るかの住所付け」を担います。
SQL 構造化問い合わせ言語
Structured · Query · Language
- Structured 構造化された structure(構造)+ ed(〜された)
- Query 問い合わせ クエリ。「検索の言葉」という意味でもよく使われます
- Language 言語
「決まった形で問い合わせるための言葉」。Query が「問い合わせ」だと分かれば、SQLインジェクションが「問い合わせの文に不正な文字を注入される攻撃」だとつながります。
XSS
Cross · Site · Scripting
- Cross 横切る・またぐ クロス。踏切の「クロッシング」と同じ語です
- Site サイト・場所
- Scripting スクリプト(簡易プログラム)を書くこと
「サイトをまたいでプログラムを実行させる」攻撃。略が XSS で C を使わないのは、CSS(スタイルシート)と紛らわしいからです。この理由まで覚えると忘れません。
英単語(用語名のもとになっている語)
こちらは略語ではなく、用語名そのものが英語から来ているものです。 語の由来が分かると、日本語訳を丸暗記しなくても意味が出てきます。
cache キャッシュ(メモリ)
- cache 隠し場所・しまい込む所 フランス語の cacher(隠す)が語源。お金の cash とは別の語です
「隠し場所」。よく使う物を手元にしまっておく棚、というイメージがそのまま働きます。
interrupt 割込み
- interrupt さえぎる・割って入る inter(あいだに)+ rupt(破る)。rupt は「破裂(rupture)」と同じ語根
「あいだを破って入る」。処理の途中に割り込んでくる、という日本語訳がそのまま語の作りになっています。
availability 稼働率・可用性
- availability 使える度合い available(使える・手に入る)+ ity(度合いを表す語尾)
「使える度合い」。壊れにくさ(信頼性)ではなく、使いたいときに使えるかを表す語だと分かります。
deadlock デッドロック
- dead 動かない・死んだ
- lock 錠・かぎをかける
「錠をかけたまま動かない」。互いに相手の資源をロックして止まる状態が、そのまま言葉になっています。
semaphore セマフォ
- semaphore 腕木式信号機・手旗信号 sema(合図)+ phore(運ぶもの)。鉄道の腕木信号がもとの意味
もともとは鉄道の信号機です。「進んでいいか、待つか」を伝える装置なので、資源を使ってよいかを管理する仕組みの名前になっています。
queue キュー(待ち行列)
- queue 順番待ちの列 「キュー」と読みます。ue が2つ続く独特なつづりで、イギリス英語では「行列に並ぶ」の動詞にも使います
レジの行列そのものです。先に並んだ人が先に処理される(先入れ先出し)という性質が、言葉の意味に入っています。
stack スタック
- stack 積み重ね・積み上げたもの 干し草や書類の「山」。動詞なら「積む」
「積み重ね」。最後に積んだものが最初に取れる(後入れ先出し)という性質が、積み上げた山のイメージから出てきます。キューとの対比で問われます。
transaction トランザクション
- transaction 取引・一連のやり取り trans(越えて)+ act(行う)。銀行の「取引明細」も transaction です
もとの意味は「取引」。振込のように「引いて、足す」までを一括で扱う単位なので、途中で止まってはいけない、という性質につながります。
normalization 正規化
- normalization 正常な形に整えること normal(正常な・標準の)+ ize(〜にする)+ ation(名詞にする語尾)
「標準の形に整える」。データの重複をなくして決まった形に直す作業です。IEEE 754 の「正規化」も同じ語で、こちらは数の形をそろえます。
throughput スループット
- through 通り抜けて スルー。「スルーする」の through と同じ語です
- put 置く・入れる
「通り抜けて出てくる量」。単位時間にどれだけ処理し終えたかを表します。1件あたりの速さ(応答時間)とは別の指標だという点で問われます。
redundancy 冗長性
- redundancy 予備を余分に持っていること redundant(余分な)+ cy(性質を表す語尾)
日本語の「冗長」は悪い意味に聞こえますが、信頼性の話では予備がある=良いことです。RAID の R もこの語です。
latency レイテンシ(遅延)
- latency 遅れ・待ち時間 latent(潜んでいる・表に出ていない)から。「潜伏期間」も latency です
「頼んでから返ってくるまでの遅れ」。スループット(量)とレイテンシ(速さ)は別物で、片方を良くすると片方が悪くなることがあります。
まぎらわしい組
| 組 | 見分け方 |
|---|---|
| MTBF / MTTR | MTBF は Between Failures(故障のあいだ=動いていた時間)、MTTR は To Repair(直すまで=止まっていた時間) |
| RFP / RFI | RFP は Proposal(提案)、RFI は Information(情報)。情報をもらう段階が先で、提案はその後 |
| SLA / SLM | SLA は Agreement(合意=約束の文書)、SLM は Management(管理=守るための運用) |
| SaaS / PaaS / IaaS | 借りる範囲の違い。Software(ソフト)、Platform(土台)、Infrastructure(基盤) |
| XSS / CSS | XSS は Cross-Site Scripting。Cross の頭文字 C を使わないのは、スタイルシートの CSS と紛らわしいから |
覚えておくと効く語の作り
| 部品 | 意味 | 出てくる語 |
|---|---|---|
| inter | あいだ・互いに | Interconnection(OSI)、Internet、interrupt(割込み) |
| re | もう一度 | Reengineering(BPR)、Redundant(RAID)、Repair(MTTR) |
| in | 〜でない | Inexpensive(RAID)=高くない |
| -ment | 動詞を名詞にする | Agreement(SLA)、Management(SCM)、Requirements(MRP) |
| -ity | 〜である度合い | Atomicity・Durability(ACID)、availability(稼働率) |
| -ing | 〜すること | Planning(MRP)、Scripting(XSS) |
よくある質問
IT略語は正式名称まで覚える必要がありますか。
覚えたほうが早く楽になります。午前試験では略語の意味そのものが問われますし、正式名称を知っていると意味を思い出せるようになります。たとえば MTBF が Mean Time Between Failures だと分かれば、Between(あいだ)なので「故障と故障のあいだ動いていた時間」だと導けます。丸暗記が理解に変わる部分です。
MTBFとMTTRが毎回混ざります。区別する方法はありますか。
3文字目以降を見ます。MTBF は Between Failures(故障のあいだ)で、動いていた時間です。MTTR は To Repair(直すまで)で、止まっていた時間です。だから稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)の分子は MTBF のほうだと決まります。
英語が苦手でも大丈夫ですか。
大丈夫です。このページは単語を1つずつ分けて日本語にしてあります。Failures のような語も fail(壊れる)+ ure(名詞にする語尾)+ s(複数)まで分解しているので、英語の知識を前提にしていません。
覚えたか確認する方法はありますか。
練習問題を用意しています。略語と正式名称の対応だけでなく、「Supply Chain Management の Chain の意味はどれか」のように単語1語の意味も出題します。間違えた選択肢が別のどの略語のものなのかも表示されます。
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