稼働率(availability)

システムが正常に動いていた時間の割合。止まっていた時間が短いほど高くなる。

もう少し詳しい説明

稼働率は、機械やシステムが、ちゃんと動いていた時間の割合です。

1年のうち363日動いていて2日止まっていたなら、稼働率は 363 ÷ 365 = 約0.995。単純にそれだけの話です。

ただし試験では、止まった日数ではなく「平均してどれくらいの間隔で壊れるか」「壊れたら直すのにどれくらいかかるか」の2つから計算させます。

MTBFとMTTR

エアコンを思い浮かべてください。だいたい3年に1回くらい壊れて、壊れたら修理に1日かかるとします。

動いていた時間を、動いていた時間と止まっていた時間の合計で割れば、それが稼働率です。

稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)

分子は MTBF のほうです。ここを取り違えると、動いていた割合ではなく止まっていた割合(不稼働率)が出てしまいます。

MTBF の B は Between(あいだ)、MTTR の R は Repair(修理)。3文字目以降で見分けられます。

→ MTBFとMTTRの単語の意味

装置を組み合わせたとき

複数の装置でできたシステムでは、つなぎ方で計算が変わります。

直列は「すべてが動いていないと困る」つなぎ方です。電車を3本乗り継ぐ通勤と同じで、どれか1本が遅れれば遅刻します。各装置の稼働率を掛け算するので、装置を増やすほど全体は必ず下がります。

直列:A × B

並列は「どれか1つ動いていればよい」つなぎ方です。傘を2本持っていて、1本壊れてももう1本ある状態。両方が同時に壊れる確率を1から引きます。

並列:1 −(1 − A)×(1 − B)

こちらは装置を増やすほど全体が上がります。

直列と並列が混ざった構成では、先に並列になっている部分を1つの稼働率にまとめてしまい、そのうえで直列として掛け算します。

9を1つ増やすと何が変わるか

稼働率を年間の停止時間に直すと、実感がつかめます。1年を 365日 = 8,760時間として、(1 − 稼働率)× 8,760 で計算します。

稼働率年間の停止時間
0.99約87.6時間(3日半)
0.999約8.8時間
0.9999約53分

9が1つ増えるごとに、停止時間は10分の1になります。SLA(サービスの品質をどこまで保証するかを取り決めた文書)で「99.9%」と書かれている水準がどれくらいのものかを読むとき、この感覚が役に立ちます。

→ 稼働率の練習問題を解く

覚え方:直列は「必ず下がる」、並列は「必ず上がる」

式を思い出せなくても、答えの向きだけ分かれば選択肢を絞れます。

計算した答えが、もとの稼働率より上がったか下がったかを確かめてください。直列なのに上がっていたら、式を取り違えています。この確認だけで、取り違えた値の選択肢を外せます。

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)の頻出計算問題です。MTBFとMTTRから稼働率を求めるパターンと、直列・並列に接続したシステム全体の稼働率を求めるパターンの2つが柱で、応用情報ではこの2つを組み合わせた混合構成や、年間の停止時間に換算させる問題まで出ます。式は短いのに、直列と並列を取り違えると答えが逆になっても計算は最後まで通ってしまうため、手を動かして型を体に入れておくのが確実です。

なお選択肢には、直列と並列を取り違えた値がほぼ必ず混ざっています。出した答えが選択肢にあったからといって、安心できません。

→ 稼働率の練習問題

関連する用語

RAID
複数のディスクを組み合わせ、1台壊れても止まらないようにする仕組み
SLA
サービスの品質をどこまで保証するかを取り決めた文書。稼働率の数字はここに書かれる
信頼性
壊れにくさのこと。MTBFが表すのはこちらで、稼働率が表すのは使える割合
待ち行列理論
混み具合から待ち時間を求める理論。そこで使う利用率は稼働率とは別の量

ミニクイズ

稼働率0.9の装置と稼働率0.8の装置を直列に接続したシステム全体の稼働率はいくつか。

正解は 3番:0.72

直列は「両方とも動いていないと使えない」構成なので掛け算で、0.9 × 0.8 = 0.72 です。0.98は並列(どちらか一方が動いていればよい)の値、0.85は2つを単純に平均した値、0.8は低いほうの装置1台の値です。直列にすると必ず1台のときより下がる、と覚えておくと向きを間違えません。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-14