SLA(service level agreement)
- マネジメント系
- サービスマネジメント
- ITパスポート
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★★☆
提供するサービスの品質水準を、稼働率や復旧時間などの数値で取り決めた合意。
もう少し詳しい説明
SLAは、提供するサービスの品質を、数値で取り決めた合意です。
Service Level Agreement。**Agreement は「合意」**ですから、一方が掲げる努力目標ではなく、双方で取り決めた約束です。守れなかったときの扱い(料金の減額など)を、あわせて定めておくのが一般的です。
「なるべく止まらないようにします」では、守れたかどうかを誰も判断できません。そこで測れる形に直して書くのがSLAの役目です。
何を書くのか
数値で測れるものを選んで書きます。よく出てくるのは次のような項目です。
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 稼働率 | 月間 99.9% 以上 |
| 障害復旧時間 | 障害発生から4時間以内に復旧 |
| 応答時間 | 画面表示は3秒以内 |
| サポート受付時間 | 平日9時〜18時 |
| 未達のときの扱い | 基準を下回った月は利用料を◯%減額 |
最後の未達のときの扱いは、必ず書かれるものではありませんが、定めておくことが多い項目です。書いておけば、守れなかったときに何が起きるかが先に決まります。
稼働率の「9」が持つ重み
いちばんよく使われるのが稼働率です。ここには、見た目より大きな差が隠れています。
1年は約8,760時間。9が1つ増えるごとに、止まってよい時間は10分の1になります。99%と99.9%は数字としては近く見えますが、許される停止時間は87.6時間と8.8時間で、10倍違います。
高ければよい、ではない
水準を上げるほど、提供側は予備の機器や人員を厚くする必要があり、費用が上がります。その費用は料金に乗ります。
一晩止まっても翌朝直れば困らない業務に、99.99%の水準は要りません。業務にとって必要な水準を見極めて決めるのがSLAの考え方で、試験でもこの向きで問われます。「高いほどよい」と書かれた選択肢は誤りです。
SLMとの違い
必ず対にして出るのが SLM(サービスレベルマネジメント、サービスレベル管理)です。
- SLA … 取り決めた文書。約束そのもの
- SLM … その水準を保つために、測って、見直して、改善し続ける活動
SLMは、決めて終わりにせず回し続ける活動なので、PDCAの形で説明されます。実績を測り、SLAと照らし、足りなければ手を打ち、必要ならSLAの内容自体を見直すところまで含みます。
A は Agreement(合意)、M は Management(管理)。 文書か活動かで区別できます。
覚え方:測れないことは書けない
SLAに書けるのは、あとから測って白黒つけられることだけです。
「迅速に対応します」は測れないので書けません。「4時間以内」なら測れます。選択肢を読むときも、数値で測れる形になっているかを見れば、SLAらしい記述かどうかを判断できます。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のマネジメント系(サービスマネジメント)で頻出です。多いのは、SLAの説明を選ばせる問題と、SLMと並べてどちらの説明かを判断させる問題です。稼働率を示して、許される停止時間を計算させる形も出ます。応用情報では、SLAの項目として適切なものを選ばせたり、水準の決め方の妥当性を問う形になります。
計算問題では、1年 = 約8,760時間(365日×24時間)、1か月 = 約720時間(30日×24時間)を使います。稼働率99.9%なら、止まってよいのは1年で約8.8時間、1か月(30日)で約43分です。問題文が31日の月や営業時間だけを対象にしている場合は、その時間数で計算し直してください。もう1つ、SLAは高いほどよいわけではないという点も狙われます。費用とのつり合いで決めるもの、という向きで覚えておいてください。
関連する用語
- SLM
- 合意した水準を維持・改善するための管理活動。SLAは文書、SLMは回し続ける活動
- 稼働率
- 全体の時間のうち、動いていた時間の割合。SLAでいちばんよく使われる指標
- MTBF・MTTR
- 故障までの平均時間と、復旧までの平均時間。稼働率はこの2つから求める
- サービスデスク
- 利用者からの問い合わせを一元的に受け付ける窓口
- SaaS
- ソフトをネット越しに借りる形態。止まったとき自分で直せないので、SLAが拠りどころになる
ミニクイズ
SLA(サービスレベル合意書)の説明として、最も適切なものはどれか。
正解は 3番:提供するサービスの品質水準を、稼働率や復旧時間などの数値で利用者と取り決めた合意
SLAは、提供する品質の水準を数値で書き、提供側と利用者が合意した取り決めそのものを指します。「維持・改善のために測定と見直しを続ける管理活動」はSLM(サービスレベル管理)で、SLAという文書をもとに回していく活動です。「問い合わせを一元的に受け付ける窓口」はサービスデスクです。「早く復旧させるための活動」はインシデント管理にあたります。SLAのA は Agreement(合意)なので、活動ではなく取り決めを指す、という点で区別できます。
最終更新:2026-09-18