BPR(business process reengineering)
- ストラテジ系
- システム戦略
- ITパスポート
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★☆☆
いまの業務手順を前提とせず、業務のやり方を根本から設計し直す取り組み。
もう少し詳しい説明
BPRは、いまの業務手順を前提とせず、やり方を根本から設計し直す取り組みです。
正式名称は Business Process Reengineering。re(もう一度)+ engineering(設計) で、「もう一度、設計する」という意味になります。
出発点が「いまの手順」ではなく「目的」であることが、この言葉のすべてです。
業務改善との違い
対にして問われるのが、現場で少しずつ良くしていく**業務改善(カイゼン)**です。
| 業務改善(カイゼン) | BPR | |
|---|---|---|
| 出発点 | いまの手順 | 目的(何のための業務か) |
| やること | 手順を保ったまま速く・楽にする | 手順そのものを捨てて組み直す |
| 変化の幅 | 小さい、積み重ねる | 大きい、一度に変える |
| 進め方 | 現場が中心 | 経営の判断が要る |
たとえば、紙の申請書を回すのに時間がかかっているとします。
- 業務改善 … 書式を見やすくする、回す順番を変える、承認の判子を減らす
- BPR … そもそも申請書を回す必要があるのかを問い直し、申請という手順自体をなくす
どちらが正しいという話ではありません。効き幅が大きいぶん、BPRは失敗したときの影響も大きくなります。
ITは目的ではなく手段
BPRとITは、よくセットで語られます。手順を組み直しても、それを支える仕組みがなければ回らないからです。
ただし順番が大事です。新しい手順を決めてから、それを支えるITを用意します。 逆に「システムを入れたので、それに合わせて業務を変える」となると、目的と手段が入れ替わります。
いまの手順のままシステム化すると、非効率な手順が固定されるだけになります。これは試験でも実務でも繰り返し言われる失敗の形です。
BPMとの違い
もう1つ紛らわしいのが BPM(ビジネスプロセスマネジメント)です。
- BPR … 一度、根本から作り直す取り組み
- BPM … 業務プロセスを監視して改善し続ける、仕組みとしての管理
BPRが「作り直す出来事」、BPMが「回し続ける仕組み」です。Rは Reengineering(作り直す)、Mは Management(管理する)、と頭文字で結び付けておけば区別できます。
うまくいかないとき
範囲が大きいので、進め方でつまずきます。試験でも注意点として問われます。
- 現場の理解が得られない。 いまのやり方を否定される形になるため、反発が起きやすい
- 経営が関わらない。 部署をまたいで手順を変えるので、現場の判断だけでは決められない
- 対象を広げすぎる。 すべてを一度に変えようとして、どこも中途半端に終わる
覚え方:re は「もう一度」
Reengineering の re に、この言葉の意味が詰まっています。
re が付いたら「もう一度、ゼロから」。 手直しではなく作り直し。この一語を押さえておけば、「少しずつ改善する」と書かれた選択肢は、BPRではないと判断できます。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のストラテジ系で出ます。多いのは、BPRの説明を選ばせる問題です。選択肢には業務改善(カイゼン)、BPM、BPO、アウトソーシングが並べられ、どれがBPRかを判断させます。応用情報では、BPRを進めるうえでの留意点や、ITとの関わりを問う形になります。
見分け方は単純で、「根本から」「抜本的に」「前提とせず」という言葉があるかどうかです。「既存の手順を活かしながら」「段階的に」と書かれていれば、それは業務改善の説明です。もう1つ、ITは手段であって目的ではないという向きも押さえておいてください。「システムの導入に合わせて業務を変える」という記述は、BPRの説明としては逆向きです。
関連する用語
- 業務改善(カイゼン)
- いまの手順を保ったまま、少しずつ良くしていく活動。BPRと対にして問われる
- BPM
- 業務プロセスを継続的に監視して改善し続ける管理の仕組み。BPRは一度の作り直し
- SCM
- 仕入れから販売までの流れを企業をまたいで管理する考え方
- SaaS
- 完成したソフトを借りて使う形態。既製の手順に業務を合わせる判断が伴う
- 要件定義
- 何を作るかを決める工程。新しい業務手順が決まってから、その支援を要件にする
- BPO
- 業務そのものを外部の企業に委託すること。やり方の見直しとは別の打ち手
ミニクイズ
BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の説明として、最も適切なものはどれか。
正解は 2番:既存の業務手順を前提とせず、業務プロセスを根本から設計し直す
BPRは、いまのやり方をいったん白紙に戻し、業務プロセスそのものを組み直す取り組みです。「現在の手順を保ったまま少しずつ改善する」のは業務改善(カイゼン)で、出発点がいまの手順である点がBPRと正反対です。「継続的に監視して改善を繰り返す仕組みとして定着させる」のはBPMで、一度の作り直しであるBPRに対し、回し続ける管理の仕組みを指します。「外部の専門企業に委託する」のはBPOで、やり方を見直すのではなく、業務そのものを社外へ出す打ち手です。
最終更新:2026-09-18