SCM(supply chain management)

原材料の調達から顧客に届くまでの供給の流れを、企業をまたいで管理する考え方。

もう少し詳しい説明

SCMは、材料の仕入れから店頭に並ぶまでを、1本の流れとしてまとめて管理する考え方です。

コンビニのおにぎりが棚に並ぶまでには、これだけの会社が関わっています。

情報を共有する仕入先材料メーカー作る物流・卸運ぶお店売る
コンビニのおにぎりが棚に並ぶまでには、これだけの会社が関わっています。SCMは、このつながり全体を1本の流れとして見る考え方です。自分のところだけ在庫を減らしても、隣が抱えただけなら全体では何も減っていません。

米を作る農家、それを加工するメーカー、運ぶ物流会社、売るお店。どこか1つが遅れれば棚は空になり、どこか1つが作りすぎれば余ります。この一続きのつながりを供給連鎖(サプライチェーン)と呼び、自分の会社だけでなく全体で最適にしようというのがSCMです。

なぜ「全体で」なのか

自分の会社の在庫を減らすだけなら、発注を絞れば数字は下がります。

ですがそれは、多くの場合、在庫が消えたのではなく取引先の倉庫に移っただけです。相手が抱えたぶんは、いずれ価格や納期に跳ね返ってきます。連鎖全体で見れば何も改善していません。

注文のブレは、さかのぼるほど大きくなる

もう1つ、この分野で必ず出てくる現象があります。

お店で売れる数が少し増えたとします。お店は品切れを恐れて、少し多めに発注する。それを受けたメーカーは、さらに念のため多めに作る。材料を頼まれた仕入先は、もっと多めに材料を持つ。

末端の小さな揺れが、川をさかのぼるほど大きな波になります。 これをブルウィップ効果(むちの効果)と呼びます。むちの持ち手を少し動かすと先端が大きく振れる、あの動きに似ているからです。

原因は、各社が「1つ前の会社の注文」しか見ていないことにあります。だから対策は、実際にいくつ売れているかという情報を連鎖全体で共有することになります。SCMが「情報の共有」を軸に語られるのは、この構造があるからです。

紛らわしい3つとの違い

試験ではこの4つを並べて出すのが定番です。頭文字が何を指しているかで区別できます。

用語対象ひとことで
SCM供給の連鎖仕入れから販売までの流れ。会社の外まで含む
ERP(イーアールピー)企業資源会計・人事・生産・販売を1つに。自社の中が範囲
CRM(シーアールエム)顧客購買履歴をもとに顧客ごとの対応を最適化
SFA(エスエフエー)営業部隊案件や訪問の進捗を共有して営業を効率化

SCMだけが会社の外側まで見ている、というのが一番の違いです。

→ SCMの正式名称と単語の意味

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のストラテジ系で、CRM・ERP・SFAと並べて「どれがSCMの説明か」を選ばせる形が最も多い出題です。ITパスポートから応用情報まで、試験区分を問わず出ます。応用情報では、SCMの効果として何が期待できるか、あるいはブルウィップ効果のような供給連鎖特有の現象を問う形に発展します。計算はほとんどなく、対象範囲の違いを覚えているかどうかで決まる問題です。

関連する用語

MRP
必要な部品と数量を部品表から計算する仕組み。SCMの中の、生産側の道具
ERP
自社内の会計・人事・生産・販売をまとめて管理する仕組み。SCMは企業の枠を越える
CRM
顧客との関係を管理する仕組み。買う側を見るもので、供給側ではない
SFA
営業活動の進捗を共有して、営業の生産性を上げる仕組み
ブルウィップ効果
末端の小さな需要の揺れが、川上へ行くほど大きく振れる現象。SCMが解こうとする問題
BPR
業務のやり方そのものを根本から見直すこと
損益分岐点
売上と費用がつり合う点

ミニクイズ

SCM(サプライチェーンマネジメント)の説明として、最も適切なものはどれか。

正解は 1番:資材の調達から生産・物流・販売までを企業の枠を越えて一体で管理し、全体の在庫と納期を最適化する

SCMは供給の流れ全体を、自社だけでなく仕入先や物流も含めて最適化する考え方です。ほかの選択肢はそれぞれ、顧客との接点を一元管理するのがCRM(顧客関係管理)、会計や人事まで社内を統合するのがERP(企業資源計画)、営業活動を共有するのがSFA(営業支援システム)です。この4つは並べて出題されるのが定番なので、頭文字が指す対象、つまりS=供給の連鎖、C=顧客、E=企業資源、SF=営業部隊、で区別すると混ざりません。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-14