MRP(material requirements planning)

生産計画と部品表から、必要な部品の量と発注する時期を計算する仕組み。

もう少し詳しい説明

MRPは、作る数と材料表から、必要な材料の量と、いつ頼めばよいかを逆算する仕組みです。

カレーを10人分作るときを思い浮かべてください。

何をいくつ作るか生産計画材料の数を掛ける部品表を展開在庫と発注済みを引く正味所要量いつ頼むか逆算調達にかかる日数ぶん前倒し
カレーを10人分作るときと同じ手順です。レシピから必要な材料の量を出し、冷蔵庫にあるぶんを引いて、買い物リストを作る。さらに「いつ使うか」から逆算して、買いに行く日を決めます。

まずレシピを見て、1人分に何がどれだけ要るかを確かめます。じゃがいも1個、にんじん半分。10人分なら、じゃがいも10個、にんじん5本です。

ただし、この数をそのまま買いに行くわけではありません。冷蔵庫を開けて、じゃがいもが3個残っていれば、買うのは7個で済みます。さらに、作るのが来週ならいつ買いに行けばよいかも考えます。ネットで注文して届くまで3日かかるなら、4日前には頼まなければ間に合いません。

工場で同じことをやるのがMRPです。カレーが製品、レシピが部品表、冷蔵庫の中身が在庫です。

3つの入力

計算するには3つの情報が必要です。試験ではここがそのまま問われます。

  1. 基準生産計画(MPS) — どの製品をいつ何個作るか(=カレーを来週10人分)
  2. 部品構成表(BOM) — 製品1個あたり何がいくつ要るか(=レシピ)
  3. 在庫情報 — いまある在庫と、すでに注文済みで届く予定のもの(=冷蔵庫の中身と、注文済みの宅配)

計算の順番

順番を守ることが大事です。

  1. 生産数に部品表を掛けて、総所要量を出す(10個 × 3個 = 30個)
  2. そこから在庫と発注残を引いて、正味所要量を出す(30 − 8 = 22個)
  3. 調達にかかる日数ぶん前倒しして、いつ発注するかを決める

「掛けてから引く」 の順番を間違えないこと。先に引いてしまうと(10 − 8 = 2)まったく違う数になります。3番目の前倒しをリードタイムオフセットと呼びます。

押し出す方式と、引っ張る方式

MRPは「計画から逆算して必要な物を前へ押し出す」考え方です。これと正反対なのが JIT(かんばん方式)で、「後の工程が使ったぶんだけ、前の工程から引っ張ってくる」やり方です。

試験ではこの2つを対比させて問われます。MRPは押す、JITは引くと覚えておけば区別できます。

範囲を広げたもの

MRPは資材だけを見ます。ここに人や設備の余力まで組み込んで広げたものが MRPⅡ(製造資源計画)、さらに会計や人事まで含めて会社ぜんぶを1つにまとめたものが ERP(イーアールピー) です。内側から外側へ広がっていく順番だと考えると、位置関係がつかめます。

→ MRPの正式名称と単語の意味

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のストラテジ系で、生産管理の代表例として出ます。問われ方は2通りで、1つはMRPの入力に何が必要かを選ばせる知識問題、もう1つは部品構成と在庫を与えて手配数量を計算させる問題です。応用情報では、MRPとJIT(かんばん方式)の考え方の違いを問う形に発展します。計算そのものは掛け算と引き算だけなので、確実に取りたい問題です。

関連する用語

SCM
原材料から顧客までの供給の流れを、企業をまたいで見直す考え方
MRPⅡ
MRPに人と設備の能力計画を足したもの。資材だけを見るMRPより範囲が広い
ERP
会計・人事・生産・販売までまとめて管理する仕組み。MRPⅡをさらに広げた位置づけ
JIT(かんばん方式)
後工程が必要なぶんだけ引き取る方式。計画から押し出すMRPとは前提が逆
損益分岐点
売上と費用がつり合う点。どれだけ作るかの判断に使う

ミニクイズ

製品Aを10個生産する計画がある。製品A 1個には部品Bを3個使う。部品Bの在庫が8個あるとき、新たに手配すべき部品Bの数量は何個か。

正解は 3番:22個

まず総所要量を出します。10個 × 3個 = 30個。ここから手元の在庫8個を引いた 30 − 8 = 22個が正味所要量で、これが手配する数です。30個は在庫を引き忘れた数、2個は1個あたり3個という部品構成を掛け忘れて 10 − 8 と計算した数、38個は在庫を引かずに足してしまった数です。「掛けてから引く」の順番を守れば間違えません。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-14