MRP(material requirements planning)
- ストラテジ系
- ビジネスインダストリ
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★☆☆
生産計画と部品表から、必要な部品の量と発注する時期を計算する仕組み。
もう少し詳しい説明
MRPは、作る数と材料表から、必要な材料の量と、いつ頼めばよいかを逆算する仕組みです。
カレーを10人分作るときを思い浮かべてください。
まずレシピを見て、1人分に何がどれだけ要るかを確かめます。じゃがいも1個、にんじん半分。10人分なら、じゃがいも10個、にんじん5本です。
ただし、この数をそのまま買いに行くわけではありません。冷蔵庫を開けて、じゃがいもが3個残っていれば、買うのは7個で済みます。さらに、作るのが来週ならいつ買いに行けばよいかも考えます。ネットで注文して届くまで3日かかるなら、4日前には頼まなければ間に合いません。
工場で同じことをやるのがMRPです。カレーが製品、レシピが部品表、冷蔵庫の中身が在庫です。
3つの入力
計算するには3つの情報が必要です。試験ではここがそのまま問われます。
- 基準生産計画(MPS) — どの製品をいつ何個作るか(=カレーを来週10人分)
- 部品構成表(BOM) — 製品1個あたり何がいくつ要るか(=レシピ)
- 在庫情報 — いまある在庫と、すでに注文済みで届く予定のもの(=冷蔵庫の中身と、注文済みの宅配)
計算の順番
順番を守ることが大事です。
- 生産数に部品表を掛けて、総所要量を出す(10個 × 3個 = 30個)
- そこから在庫と発注残を引いて、正味所要量を出す(30 − 8 = 22個)
- 調達にかかる日数ぶん前倒しして、いつ発注するかを決める
「掛けてから引く」 の順番を間違えないこと。先に引いてしまうと(10 − 8 = 2)まったく違う数になります。3番目の前倒しをリードタイムオフセットと呼びます。
押し出す方式と、引っ張る方式
MRPは「計画から逆算して必要な物を前へ押し出す」考え方です。これと正反対なのが JIT(かんばん方式)で、「後の工程が使ったぶんだけ、前の工程から引っ張ってくる」やり方です。
試験ではこの2つを対比させて問われます。MRPは押す、JITは引くと覚えておけば区別できます。
範囲を広げたもの
MRPは資材だけを見ます。ここに人や設備の余力まで組み込んで広げたものが MRPⅡ(製造資源計画)、さらに会計や人事まで含めて会社ぜんぶを1つにまとめたものが ERP です。内側から外側へ広がっていく順番だと考えると、位置関係がつかめます。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のストラテジ系で、生産管理の代表例として出ます。問われ方は2通りで、1つはMRPの入力に何が必要かを選ばせる知識問題、もう1つは部品構成と在庫を与えて手配数量を計算させる問題です。応用情報では、MRPとJIT(かんばん方式)の考え方の違いを問う形に発展します。計算そのものは掛け算と引き算だけなので、確実に取りたい問題です。
関連する用語
- SCM
- 原材料から顧客までの供給の流れを、企業をまたいで見直す考え方
- MRPⅡ
- MRPに人と設備の能力計画を足したもの。資材だけを見るMRPより範囲が広い
- ERP
- 会計・人事・生産・販売までまとめて管理する仕組み。MRPⅡをさらに広げた位置づけ
- JIT(かんばん方式)
- 後工程が必要なぶんだけ引き取る方式。計画から押し出すMRPとは前提が逆
- 損益分岐点
- 売上と費用がつり合う点。どれだけ作るかの判断に使う
ミニクイズ
製品Aを10個生産する計画がある。製品A 1個には部品Bを3個使う。部品Bの在庫が8個あるとき、新たに手配すべき部品Bの数量は何個か。
正解は 3番:22個
まず総所要量を出します。10個 × 3個 = 30個。ここから手元の在庫8個を引いた 30 − 8 = 22個が正味所要量で、これが手配する数です。30個は在庫を引き忘れた数、2個は1個あたり3個という部品構成を掛け忘れて 10 − 8 と計算した数、38個は在庫を引かずに足してしまった数です。「掛けてから引く」の順番を守れば間違えません。
最終更新:2026-09-14