WBS(work breakdown structure)
- マネジメント系
- プロジェクトマネジメント
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★★☆
プロジェクトの作業を、担当と日数を見積もれる大きさまで階層的に分解する手法。
もう少し詳しい説明
WBSは、大きな作業を、担当と日数を言える大きさまで分けていく手法です。
「引っ越しを終わらせる」という一行だけでは、誰も動けません。何日かかるかも答えられない。だから分けます。
荷造り、業者の手配、運搬、荷ほどき。それでも「荷造り」がまだ大きければ、本を箱に詰める、食器を包む、とさらに割る。「これは誰がやる」「これは何日かかる」と言える大きさになったら、そこで止めます。
守るべき決まりは1つ
分け方には1つだけ決まりがあります。分けたものを全部足すと、元にちょうど戻ることです。
足りなければ、抜けていた作業が当日になって発覚します。重なっていれば、2人が同じことをやります。この決まりを100%ルールと呼びます。
最後まで分けきった一番小さい単位をワークパッケージと呼び、ここが見積り・日程・原価・進捗報告の基本単位になります。各ワークパッケージの中身や受入基準を書いた補助文書は、WBS辞書と呼ばれます。
WBSが表さないもの
ここが試験で一番問われるところです。WBSは順序も日程も表しません。
分けただけの段階では、「荷造りと業者の手配、どちらが先か」は書かれていません。それを決めるのは次の工程です。
| 図 | 何を表すか |
|---|---|
| WBS | 作業を分けた構成。順序も日程も表さない |
| アローダイアグラム | 作業の順序と所要日数 |
| ガントチャート | 日程と進捗を横棒の長さで |
| 責任分担マトリックス(RAM) | 作業と担当者の対応 |
順序が決まって初めて、どの経路に余裕がないか(クリティカルパス)が求められます。WBSは、その一連の作業すべての出発点にあたります。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のマネジメント系で、プロジェクトマネジメントの基本用語として安定して出ます。多いのは、WBS・ガントチャート・アローダイアグラム・責任分担マトリックスの説明文を並べて選ばせる形式です。応用情報の午後でも、プロジェクト管理を題材にした問題の前提として登場します。「WBSは分解するもので、順序や日程は表さない」という一点を押さえれば大半は解けます。
WBSを作成する目的や、ワークパッケージまで分解する理由を問う形もあります。
関連する用語
- ワークパッケージ
- WBSのいちばん下の作業単位。見積りと進捗の管理はここを基本にする
- ガントチャート
- 日程と進捗を横棒で表す図。WBSは日程を表さない
- 責任分担マトリックス(RAM)
- どの作業を誰がやるかを表にしたもの。分解の道具ではない
- クリティカルパス
- 全体の日数を決めている、いちばん時間のかかる経路
- アローダイアグラム
- 作業の順序と所要日数を矢印で表す図
ミニクイズ
WBS(作業分解構成図)の説明として、最も適切なものはどれか。
正解は 4番:プロジェクトの成果物と作業を階層的に分解し、管理可能な大きさの作業単位まで細分化した図
WBSは「分解する」ための道具です。ほかの選択肢はそれぞれ、順序と所要日数を矢印で表すのがアローダイアグラム(PERT図)、作業と担当の対応を示すのが責任分担マトリックス(RAM)、日程と進捗を横棒で並べるのがガントチャートです。WBSは順序も日程も表しません。順序や日数はWBSで作業を洗い出したあとの工程で決めるので、WBSはあくまでその土台にあたります。
最終更新:2026-09-14