WBS(work breakdown structure)

プロジェクトの作業を、担当と日数を見積もれる大きさまで階層的に分解する手法。

もう少し詳しい説明

WBSは、大きな作業を、担当と日数を言える大きさまで分けていく手法です。

「引っ越しを終わらせる」という一行だけでは、誰も動けません。何日かかるかも答えられない。だから分けます。

引っ越し引っ越しを終わらせる分けると荷造り業者の手配運搬荷ほどきもっと分ける本を箱に詰める食器を包む…
分けたものを全部足すと、元にちょうど戻る形にします(100%ルール)。足りなければ当日になって抜けが発覚し、重なっていれば2人が同じことをやります。下の段がそれ以上分けられない大きさになったら、そこで止めます。

荷造り、業者の手配、運搬、荷ほどき。それでも「荷造り」がまだ大きければ、本を箱に詰める、食器を包む、とさらに割る。「これは誰がやる」「これは何日かかる」と言える大きさになったら、そこで止めます。

守るべき決まりは1つ

分け方には1つだけ決まりがあります。分けたものを全部足すと、元にちょうど戻ることです。

足りなければ、抜けていた作業が当日になって発覚します。重なっていれば、2人が同じことをやります。この決まりを100%ルールと呼びます。

最後まで分けきった一番小さい単位をワークパッケージと呼び、ここが見積り・日程・原価・進捗報告の基本単位になります。各ワークパッケージの中身や受入基準を書いた補助文書は、WBS辞書と呼ばれます。

WBSが表さないもの

ここが試験で一番問われるところです。WBSは順序も日程も表しません。

分けただけの段階では、「荷造りと業者の手配、どちらが先か」は書かれていません。それを決めるのは次の工程です。

図何を表すか
WBS作業を分けた構成。順序も日程も表さない
アローダイアグラム作業の順序と所要日数
ガントチャート日程と進捗を横棒の長さで
責任分担マトリックス(RAM)作業と担当者の対応

順序が決まって初めて、どの経路に余裕がないか(クリティカルパス)が求められます。WBSは、その一連の作業すべての出発点にあたります。

→ WBSの正式名称と単語の意味

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のマネジメント系で、プロジェクトマネジメントの基本用語として安定して出ます。多いのは、WBS・ガントチャート・アローダイアグラム・責任分担マトリックスの説明文を並べて選ばせる形式です。応用情報の午後でも、プロジェクト管理を題材にした問題の前提として登場します。「WBSは分解するもので、順序や日程は表さない」という一点を押さえれば大半は解けます。

WBSを作成する目的や、ワークパッケージまで分解する理由を問う形もあります。

関連する用語

ワークパッケージ
WBSのいちばん下の作業単位。見積りと進捗の管理はここを基本にする
ガントチャート
日程と進捗を横棒で表す図。WBSは日程を表さない
責任分担マトリックス(RAM)
どの作業を誰がやるかを表にしたもの。分解の道具ではない
クリティカルパス
全体の日数を決めている、いちばん時間のかかる経路
アローダイアグラム
作業の順序と所要日数を矢印で表す図

ミニクイズ

WBS(作業分解構成図)の説明として、最も適切なものはどれか。

正解は 4番:プロジェクトの成果物と作業を階層的に分解し、管理可能な大きさの作業単位まで細分化した図

WBSは「分解する」ための道具です。ほかの選択肢はそれぞれ、順序と所要日数を矢印で表すのがアローダイアグラム(PERT図)、作業と担当の対応を示すのが責任分担マトリックス(RAM)、日程と進捗を横棒で並べるのがガントチャートです。WBSは順序も日程も表しません。順序や日数はWBSで作業を洗い出したあとの工程で決めるので、WBSはあくまでその土台にあたります。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-14