SaaS(software as a service)
- ストラテジ系
- システム戦略
- ITパスポート
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★★☆
完成したソフトウェアを、買って持つのではなくネット越しに使う提供形態。
もう少し詳しい説明
SaaSは、完成したソフトウェアを、買って持つのではなくネット越しに使う提供形態です。
Software as a Service、つまり「サービスとしてのソフトウェア」です。これまでソフトウェアは、買って自分の機械に入れて使う「物」でした。SaaSはそれを、電気や水道のように**使う分だけ払って使い続ける「サービス」**として扱います。
身近な例では、ブラウザで使うメール、表計算、会計ソフトなどがあてはまります。
PaaS・IaaSとの違い
試験でいちばん問われるのが、この3つの区別です。違いはどこまでを借りるかだけです。
| 形態 | 借りるもの | 自分で用意するもの |
|---|---|---|
| SaaS | 完成したソフトウェアそのもの | データを入れるだけ |
| PaaS | アプリを動かす土台(OS・開発環境) | アプリケーション |
| IaaS | 基盤(仮想サーバ・ストレージ・回線) | OSから上のすべて |
SaaSの利用者は、アプリを作りません。 ここが決定的な違いで、「自分で開発したアプリケーションを動かす」と書かれていれば、それはSaaSではなくPaaSかIaaSの説明です。
オンプレミスとの違い
自社で機器を買い、自社の建物に置いて動かす形態をオンプレミスと呼びます。クラウドと対にして出題されます。
| オンプレミス | SaaS | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 大きい(機器を買う) | 小さい(契約すれば使える) |
| 使い始めるまで | 調達と構築に時間がかかる | すぐ使える |
| 手直し | 自由にできる | 決められた範囲でしかできない |
| 障害のとき | 自分で直す | 提供側の復旧を待つ |
自由と手軽さが裏返しの関係になっています。SaaSは早く安く始められる代わりに、自社の業務に合わせて作り変えることはできません。
借りる側が気にすること
止まったとき、自分では直せません。だからこそ、どの程度の品質で提供されるのかを契約で確かめておく必要があります。これを数値で取り決めたものが SLA(サービスレベル合意書)です。
もう1つよく問われるのが、データがどこに置かれるかです。自社の建物の外にデータを預けることになるので、保管される国の法律や、解約したときにデータを取り出せるかを、契約の段階で確認しておく必要があります。
業務をどちらに合わせるか
既製品を使うので、自社の業務のほうを、SaaSのやり方に合わせる判断が必要になる場面があります。
これは我慢ではなく、選択肢の1つです。多くの会社で使われている手順のほうが合理的であることも多く、この機会に業務そのものを見直す取り組みが BPR です。試験でも、SaaSの導入と業務の見直しはセットで語られます。
覚え方:as a Service の前が「借りる範囲」
3つとも形は同じ「◯aaS」で、**前に付く語が「どこまで借りるか」**を表しています。基盤・土台・ソフトの順に下から積み上がっていて、下からどこまでを借りるかが違うだけです。
- Software=ソフトウェア … 完成したソフトまで借りる(いちばん広い)
- Platform=土台 … アプリを動かす土台まで借りる。アプリだけ自前
- Infrastructure=基盤 … いちばん下の基盤まで(いちばん狭い)。OSから上は自前
S → P → I の順に、借りる範囲が狭くなり、自分でやることが増える。 この向きだけ覚えておけば、3択で迷いません。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のストラテジ系で頻出です。ITパスポートから応用情報まで、区分を問わず出ます。最も多いのは、SaaS・PaaS・IaaSを並べて、示された説明がどれにあたるかを選ばせる問題です。オンプレミスと比べて、初期費用や導入までの期間の違いを問う形もあります。
判断のしかたは決まっていて、**「利用者がアプリケーションを開発するか」**を見てください。開発するならPaaSかIaaS、しないならSaaSです。さらにOSまで自分で用意するならIaaS、と絞れます。応用情報では、SLAの水準やデータの保管場所といった、借りる側の確認事項にまで踏み込んで問われます。
関連する用語
- PaaS
- アプリを動かす土台(OSや開発環境)までを借りる形態。アプリは自分で作る
- IaaS
- サーバやストレージなど、基盤だけを借りる形態。OSから上は自分で用意する
- オンプレミス
- 自社で機器を持ち、自社で動かす形態。クラウドと対にして問われる
- SLA
- サービスの品質水準を数値で取り決めた合意。借りる側の拠りどころになる
- BPR
- 業務のやり方を根本から見直すこと。既製のSaaSに業務を合わせる場面で関わる
ミニクイズ
利用者が自分でアプリケーションを開発し、それを動作させるためのOSやミドルウェアなどの実行環境をインターネット経由で借りるサービス形態はどれか。
正解は 2番:PaaS
アプリケーションは自分で作り、それを動かす土台(プラットフォーム)を借りるのがPaaSです。SaaSは完成したソフトウェアそのものを借りる形態なので、利用者がアプリケーションを開発することはありません。IaaSは仮想サーバやストレージといった基盤だけを借りる形態で、OSやミドルウェアは利用者が用意します。オンプレミスは自社で機器を持ち、自社で動かす形態で、そもそも借りていません。「as a Service」の前に付く語が、どこまでを借りるかを表しています。
最終更新:2026-09-18