OSI基本参照モデル(OSI reference model)
- テクノロジ系
- ネットワーク
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★★★☆
通信の役割を7つの階層に分けて整理したモデル。層ごとに担当と機器が決まっている。
もう少し詳しい説明
OSI基本参照モデルは、通信でやることを7つの役割に分けて整理したものです。実際に使われている製品そのものではなく、考え方を整理するための物差しとして作られました。
なぜ層に分けるのか
通信でやることは幅広く、「ケーブルに電気を流す」から「文字を画面に表示する」までが含まれます。これを1つのかたまりとして扱うと、どこに問題があるのか切り分けられません。
そこで役割ごとに層に分け、それぞれの層は、すぐ上とすぐ下とだけやり取りすることにしました。こうすると、ある層の中身を入れ替えても、他の層はそのまま使えます。有線から無線に変えても、上の層は何も変わらないのはこのおかげです。
7つの層
下から数えて第1層です。番号と名前がずれると全部ずれるので、ここは丁寧に押さえてください。
| 層 | 名前 | 担当 | 働く機器 |
|---|---|---|---|
| 第7層 | アプリケーション | 何をやり取りするか | — |
| 第6層 | プレゼンテーション | 文字コードや暗号など表現の変換 | — |
| 第5層 | セション | 通信の開始から終了までの管理 | — |
| 第4層 | トランスポート | 確実に届けるか、速さを取るか | — |
| 第3層 | ネットワーク | どのネットワークへ届けるか | ルータ |
| 第2層 | データリンク | 同じネットワーク内で隣へ渡す | レイヤ2スイッチ・ブリッジ |
| 第1層 | 物理 | 信号として実際に流す | リピータ・リピータハブ |
大きく見ると、下の3層が「届ける」担当、上の4層が「中身」の担当です。この分け方を先に入れておくと、層の並びが思い出しやすくなります。
覚え方:アプセトネデブ
7つの名前を順番どおりに出すのは大変なので、頭文字をつなげた語呂が昔から使われています。
アプセトネデブ
上(第7層)から下(第1層)へ読みます。
| 頭文字 | 層 | |
|---|---|---|
| 第7層 | ア | アプリケーション |
| 第6層 | プ | プレゼンテーション |
| 第5層 | セ | セション |
| 第4層 | ト | トランスポート |
| 第3層 | ネ | ネットワーク |
| 第2層 | デ | データリンク |
| 第1層 | ブ | 物理(ぶつり) |
最後の「ブ」だけ、名前の頭ではなく「ぶつり」の読みから来ています。ここで引っかかりやすいので、先に押さえておいてください。
「ネ」と「デ」の順番に注意します。 ネットワーク層(第3層)が上、データリンク層(第2層)が下です。ここを入れ替えて「アプセトデネブ」と覚えてしまうと、ルータとスイッチの層も入れ替わってしまい、機器の問題を落とします。IPアドレスのほうが上と結びつけて確認してください。
語呂は上から下へ読むので、層の番号は逆に数えることになります。「アプセトネデブの最後のブが第1層」と、終わりが1だと決めておくと、番号と名前がずれません。
機器がどの層かは「何を見ているか」で決まる
試験で最もよく問われるのが、機器と層の対応です。これは暗記するより、その機器が何を見て判断しているかで考えるほうが確実です。
- リピータ・リピータハブ:何も見ない。届いた信号を増幅して流すだけ → 第1層
- レイヤ2スイッチ・ブリッジ:MACアドレスを見て、つながっている先を選ぶ → 第2層
- ルータ:IPアドレスを見て、どのネットワークへ送るかを決める → 第3層
見ているものが上位になるほど、層も上がります。「IPアドレスを見る=第3層」「MACアドレスを見る=第2層」の2つを覚えておけば、大半の問題は解けます。
TCP/IPとの対応
実際のインターネットで使われているのは TCP/IP のほうで、こちらは4層です。OSIは整理のための物差し、TCP/IPは実際に動いているもの、という関係になります。
| OSI基本参照モデル(7層) | TCP/IP(4層) |
|---|---|
| 第7層 アプリケーション 第6層 プレゼンテーション 第5層 セション | アプリケーション層 |
| 第4層 トランスポート | トランスポート層 |
| 第3層 ネットワーク | インターネット層 |
| 第2層 データリンク 第1層 物理 | ネットワークインタフェース層 |
上の3つがまとまって1つ、下の2つがまとまって1つになり、真ん中の2層はそのまま対応します。この対応表は、そのままの形で出題されます。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のネットワーク分野で頻出です。多いのは、ある機器が動作する層を選ばせる問題(ルータ・スイッチ・リピータ)と、ある層の役割の説明を選ばせる問題です。TCP/IPの4層との対応を問う形も定番です。応用情報では、通信障害の切り分けを層ごとに考えさせる問題として出ます。
層の番号は下からです。ここを逆に覚えていると全問落とすので、「一番下が物理層=第1層、ケーブルそのもの」と、下の端を固定して数えるようにしてください。
関連する用語
- TCP/IP
- 実際に使われている通信の決まりごと一式。7層を実装に合わせて4層にまとめた形
- IPアドレス
- 機器を区別する番号。第3層のネットワーク層で使う
- MACアドレス
- 機器そのものに焼き付けられた番号。第2層のデータリンク層で使う
- ルータ
- ネットワークどうしをつなぐ機器。第3層で宛先を見て転送先を決める
- レイヤ2スイッチ
- 同じネットワークの中で転送する機器。第2層でMACアドレスを見る。ブリッジとも呼ぶ
- リピータ
- 信号を増幅して伸ばすだけの機器。第1層で、中身は一切見ない。リピータハブも同じ層
ミニクイズ
OSI基本参照モデルにおいて、ルータが主に動作する層はどれか。
正解は 2番:ネットワーク層(第3層)
ルータはIPアドレスを見て、どのネットワークへ転送するかを決める機器です。IPアドレスを扱うのはネットワーク層なので、ルータは第3層で動作します。第2層のデータリンク層はMACアドレスを見る層で、ここで働くのはレイヤ2スイッチやブリッジです。第1層の物理層は信号そのものを扱う層で、リピータやリピータハブが該当し、中身は一切見ずに増幅して流すだけです。第4層のトランスポート層はTCPやUDPが動く層で、ここで働く専用の機器を問われることはほとんどありません。機器を覚えるときは、その機器が何を見て判断しているかで層が決まる、と考えると間違えません。
最終更新:2026-09-16