クリティカルパス(critical path)

作業の経路のうち所要日数が最も長く、全体の所要日数を決めている経路。

A:4日、余裕 0日A(4)B:3日、余裕 1日B(3)C:6日、余裕 0日C(6)D:4日、余裕 1日D(4)E:2日、余裕 0日E(2)12345
太い線がクリティカルパスです。結合点2で道が2つに分かれ、結合点5で合流します。上の道(B→D)は合計11日、下の道(C→E)は12日。合流点では遅いほうに合わせるので全体は12日になり、上の道には1日の余裕が生まれます。 → 矢印を押して経路と日数を確かめる

もう少し詳しい説明

クリティカルパスは、そこが1日遅れたら、全体がそのまま1日遅れる経路のことです。

カレーを作るところを思い浮かべてください。米を炊くのに30分、カレーを煮込むのに50分かかるとします。この2つは同時に進められます。

さて、食べられるのは何分後でしょうか。答えは50分後です。米は30分で炊けますが、カレーができるまで待つことになります。

このとき、カレーのほうが全体の時間を決めています。米を20分で炊けるよう工夫しても、食べられる時刻は1分も早くなりません。逆にカレーが10分延びれば、食事も10分遅れます。この「全体を決めている側」がクリティカルパスです。

図で見る

作業がいくつも絡むと、どれが全体を決めているのかは目で追うだけでは分かりません。そこで図にします。

このページの先頭にある図を見てください。太い線がクリティカルパスです。結合点2で道が2つに分かれ、結合点5でまた合流しています。上の道は合計11日、下の道は12日。合流点では遅いほうに合わせるので全体は12日になり、上の道には1日の余裕(フロート、スラック)が生まれます。太い線の上には、その余裕がありません。

求め方

2段階で計算します。

前進計算:開始から順に、各地点へ「一番遅く到着する時刻」を積み上げます。複数の道が合流する地点では、遅いほうに合わせます(=最大値を採る)。カレーと米が合流する地点で50分を採ったのと同じです。これを最早結合点時刻と呼びます。

後退計算:終了から逆に、「全体を遅らせずに済む限界の時刻」を引いていきます。分岐する地点では最小値を採ります。これを最遅結合点時刻と呼びます。

この2つの差が余裕で、余裕が0の地点をつないだ経路がクリティカルパスです。

知っておくと役に立つこと

応援を入れて意味があるのは、この経路の上だけです。 余裕のある作業をどれだけ前倒ししても、完成は1日も早くなりません。人を足す場所を間違えると、費用だけ増えて日程は変わらない、ということが起きます。

もう1つ。この経路を短縮すると、それまで余裕のあった別の経路が新しく一番きつい経路になります。 同じところに人を足し続けても、あるところから効かなくなるのはこのためです。

なお、同じ長さの経路が複数あれば、クリティカルパスは複数本同時に存在します。1本とは限りません。

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のマネジメント系で最もよく出る計算問題の1つです。アローダイアグラムを与えて全体の所要日数を求めさせる形が定番で、応用情報では「ある作業を何日短縮すれば全体が何日縮むか」「どの作業に応援を入れるべきか」という一段深い問い方に発展します。図さえ読めれば計算自体は足し算と大小比較だけなので、確実に得点源にしたい用語です。

全体の日数だけでなく、特定の作業の余裕日数を計算させる形もあります。

→ 矢印を押して経路と日数を確かめる(過去問の図を写して答え合わせもできます)

関連する用語

アローダイアグラム
作業の順序と所要日数を矢印で表す図。この図の上で経路を探す
余裕(フロート)
その作業を遅らせても全体に響かない日数。この経路の上では0になる
WBS
作業を漏れなく分解する方法。分解しないと、そもそも経路が引けない

ミニクイズ

作業Aは3日、作業Bは5日かかり、この2つは同時に開始できる。作業Cは4日かかるが、AとBの両方が完了しないと開始できない。作業Dは2日かかり、Cの完了後に開始できる。全体の所要日数は何日か。

正解は 1番:11日

AとBは同時に進むので、Cを始められるのは遅いほうのBが終わる5日目です。そこにC(4日)とD(2日)が続くので、5 + 4 + 2 = 11日。9日はAの経路だけを見て 3 + 4 + 2 と計算した誤り、14日は同時に進む作業まで全部足した誤り、7日はCとDだけを足した誤りです。合流点では「速いほう」ではなく必ず「遅いほう」に合わせる、というのがこの計算の急所です。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-14