ユーザビリティ(usability)
- テクノロジ系
- ユーザーインタフェース
- ITパスポート
- 基本情報
- 応用情報
- 重要度 ★★☆☆☆
決まった利用者が決まった目的を果たすときの、有効さ・効率・満足度の度合い。
もう少し詳しい説明
ユーザビリティは、決まった利用者が、決まった目的を果たすときの使いやすさの度合いです。
日本語では「使いやすさ」と訳されますが、見た目の good/bad のことではありません。測るための決まった観点があります。
- 有効さ … 目的を、正確に最後まで達成できるか
- 効率 … どれだけの手間と時間で達成できるか
- 満足度 … 不快なく、受け入れられるか
3つそろって、はじめて「ユーザビリティが高い」と言えます。速く終わっても間違いだらけなら有効さが低く、正確でも延々と時間がかかるなら効率が低い、という具合です。
この整理は国際規格 ISO 9241-11(国内は JIS Z 8521)に基づくものです。現行版では「効果・効率・満足」という訳語になっていますが、指している中身は同じです。試験では「有効さ・効率・満足度」の形で出ることが多いので、どちらの言い方でも気づけるようにしておいてください。
「誰が」「何を」を決めないと測れない
定義には、特定の利用者・特定の目的・特定の利用状況という条件が付いています。ここが試験でも実務でも要点です。
同じ画面でも、毎日使う担当者にとっては効率がよく、年に1回しか使わない人にはわかりにくい、ということが起こります。使う人と場面を決めずに「使いやすい」とは言えません。
だから評価するときは、「誰が」「何をしようとして」「どんな状況で」を先に決めます。
アクセシビリティとの違い
試験では対にして問われます。
| ユーザビリティ | アクセシビリティ | |
|---|---|---|
| 問うこと | どれだけ楽に目的を果たせるか | そもそも使えるか |
| 対象 | 想定した利用者 | 心身の条件や環境を問わず、より多くの人 |
| 例 | 手順が少ない、迷わない | 音声で読み上げられる、色だけに頼らない |
ユーザビリティは「使いやすさの度合い」、アクセシビリティは「使える人の幅」。 深さを上げるのが前者、幅を広げるのが後者、と分けると取り違えません。
似た言葉にユニバーサルデザインがあります。これは、はじめから誰にでも使える形で設計しておくという考え方です。後から特別な対応を足すのではない、という点が特徴になります。
UXとの違い
**UX(ユーザエクスペリエンス)**は、使っている最中だけでなく、知った時から使い終わった後までを含む体験全体を指します。
ユーザビリティはそのうち「操作しているあいだの使いやすさ」にあたるので、UXのほうが広いという関係です。UXには、期待どおりだったか、また使いたいと思うか、といった部分まで入ります。
どうやって評価するか
ユーザビリティテストが代表的です。実際の利用者に目的を伝えて操作してもらい、どこで詰まるかを観察します。
大事なのは、意見を聞くことではなく、行動を見ることです。「使いやすかったですか」と尋ねても、詰まった場所は本人も覚えていないことが多く、観察でしか分かりません。
もう1つ、専門家が経験則(ヒューリスティック)に照らして問題点を洗い出すヒューリスティック評価があります。利用者を集めずに済むので早く回せますが、実際の利用者がどこで詰まるかまでは分かりません。両方を補い合う形で使います。
覚え方:3つの観点で測る「度合い」
ユーザビリティは、印象ではなく度合いです。
- できたか … 有効さ
- 楽だったか … 効率
- 嫌ではなかったか … 満足度
「見た目がきれい」「最新の技術を使っている」は、この3つのどれにも入りません。選択肢に見た目や技術の新しさが出てきたら、ユーザビリティの説明ではないと判断できます。
試験ではこう出る
科目A(旧・午前)のユーザーインタフェース分野で出ます。ITパスポートから応用情報まで、区分を問わず出題されます。多いのは、ユーザビリティの定義や構成要素を選ばせる問題と、アクセシビリティ・ユニバーサルデザインと並べてどの説明かを判断させる問題です。応用情報では、ユーザビリティテストの進め方や、評価結果の扱いに踏み込みます。
見分け方は、「使える人の幅」の話か、「使いやすさの度合い」の話かです。読み上げソフトへの対応や色覚への配慮が書かれていればアクセシビリティ、手順の少なさや迷いにくさならユーザビリティです。もう1つ、定義に「特定の利用者・目的・利用状況」が入る点も問われます。誰にとっても一律に使いやすい、という書き方の選択肢は誤りです。
関連する用語
- アクセシビリティ
- 心身の条件や環境によらず使えるかどうか。使える人の幅を広げる話で、対象が違う
- ユニバーサルデザイン
- はじめから誰にでも使える形にしておく考え方。後から配慮を足すのではない
- UX(ユーザエクスペリエンス)
- 使う前後も含めた体験全体。ユーザビリティはその一部にあたる
- ユーザビリティテスト
- 実際の利用者に操作してもらい、どこで詰まるかを観察する評価方法
- 要件定義
- 何を作るかを決める工程。ユーザビリティは非機能要件として扱われることが多い
ミニクイズ
ユーザビリティを構成する要素の組合せとして、最も適切なものはどれか。
正解は 4番:有効さ、効率、満足度
ユーザビリティは、特定の利用者が特定の目的を達成する際の、有効さ・効率・満足度の度合いとして定義されています。国際規格ISO 9241-11(国内はJIS Z 8521)に基づく整理で、現行版では効果・効率・満足という訳語が使われていますが、指している中身は同じです。有効さは目的を正確に達成できるか、効率はどれだけの手間で達成できるか、満足度は不快なく受け入れられるかを指します。「信頼性・保守性」はシステムの品質特性で使われる言葉、「可用性・機密性」は情報セキュリティの3要素に含まれるもの、「拡張性・移植性」もソフトウェアの品質特性で、いずれもユーザビリティの定義に含まれる要素ではありません。
最終更新:2026-09-20