IPアドレス(IP address)

ネットワークにつながった機器を1台ずつ区別するための番号。宛先として使われる。

もう少し詳しい説明

IPアドレスは、ネットワークにつながっている機器を1台ずつ区別するための番号です。データを送るときの宛先として使われます。

郵便と同じで、届け先が決まっていなければ配達できません。インターネットでデータをやり取りするには、送る側にも受け取る側にも番号が要ります。

書き方:8ビットずつ4つに区切る

いま広く使われている IPv4 では、IPアドレスは 32ビットの数です。ただ、0と1を32個並べても人には読めないので、8ビットずつ4つに区切って、10進数で書きます。

10進数1921681025とれる値0〜2550〜2550〜2550〜255ビット数8ビット8ビット8ビット8ビット
8ビットずつ4つに区切って、区切りを点で書きます。8ビットで表せるのは0〜255なので、どの位置も256を超えることはありません。256という数字が選択肢にあれば、その時点で誤りです。

8ビットで表せるのは 0 から 255 までです。だから、どの位置にも256以上の数は入りません。試験では「正しくないIPアドレスはどれか」という形で、256以上の数を混ぜた選択肢が出ます。ここは見た瞬間に判断できます。

なぜ 0〜255 までなのか

「8ビットだから0〜255」と言われても、なぜそうなるのかが飛んでいます。ここだけ2進数の話になりますが、マス目が8つあると思ってもらえれば大丈夫です。

コンピュータは 0 と 1 しか扱えません。1ビットは、0 か 1 が入るマス目1つのことです。8ビットなら、マス目が8つ並んでいます。

10進数1922進数(8桁)11000000各桁の重み1286432168421足すと128 + 64 = 192
10進数の 192 は、2進数では 11000000 です。マス目が8つあり、それぞれに 0 か 1 が入ります。全部 0 なら 0、全部 1 なら 255。だから 0〜255 の256通りしか作れず、256 という値は表せません。

それぞれのマス目には重みが決まっていて、右から 1、2、4、8、16、32、64、128 と倍々になっています。1 が立っているマス目の重みを足すと、10進数の値になります。図の例では 128 と 64 のマス目に 1 が立っているので、128 + 64 = 192 です。

全部 0 なら 0、全部 1 なら 255(128+64+32+16+8+4+2+1)。つまり作れるのは 0 から 255 までの 256通りだけです。

ここで混ざりやすいのが、**「256通り」と「最大値255」**です。0 から数え始めるので、通りの数は256でも、いちばん大きい値は255になります。だから 256 という値そのものは、どうやっても表せません。

(2進数と10進数の行き来は、進数変換の練習問題でその場で練習できます。)

2つの部分に分かれている

IPアドレスは、ただの通し番号ではありません。前半と後半で役割が違います。

どこで区切るかを示すのがサブネットマスクです。IPアドレスだけを見ても区切りは分からないので、必ずセットで扱います。

→ サブネットマスクのページで、区切り方を詳しく見る

家の中の番号と、外の番号

ここで疑問が出てきます。世界中の機器に別々の番号を配るなら、32ビットでは足りないのではないか、と。実際そのとおりで、IPv4 で表せるのは約43億個。世界の人口より少ない数です。

そこで実際には、番号を2種類に分けて使っています。

種類どこで使うか重複
グローバルIPアドレスインターネット上世界で1つ。重複できない
プライベートIPアドレス組織や家庭の中だけ別の組織となら重複してよい

家庭のパソコンやスマホに割り当てられている 192.168.〜 という番号は、プライベートIPアドレスです。同じ番号が世界中の家庭で使われていますが、家の外には出ていかないので困りません。

家の中のパソコンプライベートIPアドレス 192.168.10.25ルータが付け替えるこれがNATインターネット側グローバルIPアドレス 世界で1つ
家の中では自由に使える番号を割り当て、外に出るときだけルータが世界で1つの番号に付け替えます。だから家庭内の番号が世界中で重複していても困りません。

外と通信するときは、ルータが中の番号を、外向けの番号に付け替えます。この付け替えを NAT(ナット) と呼びます。これがあるおかげで、契約でもらえるグローバルIPアドレスが1つでも、家の中の何台もがインターネットを使えます。

プライベートIPアドレスとして使ってよい範囲

どの番号を家の中用にしてもよい、というわけではありません。あらかじめ3つの範囲が予約されていて、その中から選びます。ここは試験に出ます。

範囲使える台数(おおよそ)どこで使われるか
10.0.0.0 〜 10.255.255.255約1,678万台大企業など、台数が非常に多い組織
172.16.0.0 〜 172.31.255.255約104万台中規模の組織
192.168.0.0 〜 192.168.255.255約6万5千台家庭や小さな事務所

なぜ3つあるのかというと、組織の規模によって必要な台数が違うからです。家庭で1,678万台ぶんの番号を確保しても無駄になりますし、逆に大企業に6万5千台では足りません。大・中・小の3サイズが用意されている、と考えてください。

家庭用のルータが 192.168.〜 を配るのは、家庭の規模に合うのが3つ目の範囲だからです。よく見かける番号なのはそのためです。

見分け方には注意が要ります。10. で始まればプライベート、192.168. で始まればプライベートは分かりやすいのですが、172 は厄介です。172.16. から 172.31. までだけがプライベートで、172.15.〜 や 172.32.〜 はグローバルIPアドレスの側になります。試験では、ここを外した番号を混ぜた選択肢が出ます。

これらの番号は、インターネット側のルータが通さないことになっています。だから世界中の家庭で同じ 192.168.10.1 が使われていても、ぶつかりません。外へ出るときは必ずNATで付け替えられます。

IPv6:桁を増やして根本から解決する

NATは工夫ではありますが、番号が足りないという問題そのものは残ります。そこで作られたのが IPv6 で、アドレスの長さを 128ビットに増やしました。

32ビットから128ビットへ、96ビットぶん増えています。2の96乗倍なので、事実上、足りなくなる心配はありません。表記も変わり、16進数をコロンで区切って書きます。試験では**「IPv4は32ビット、IPv6は128ビット」**という数字そのものが問われます。

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のネットワーク分野で最頻出の1つです。多いのは、表記として正しくないIPアドレスを選ばせる問題(256以上の数が混ざっている)と、プライベートIPアドレスの範囲を選ばせる問題です。IPv4とIPv6のビット数を問う形も定番です。応用情報では、サブネットマスクと組み合わせてネットワークを分割する設計問題に発展します。

押さえるのは3つだけです。1つの位置は0〜255、前半がネットワーク部で後半がホスト部、IPv4は32ビットでIPv6は128ビット。この3つで、科目Aの出題にはほぼ対応できます。

関連する用語

サブネットマスク
IPアドレスのどこまでがネットワーク部かを示す目印。区切りはこれで決まる
TCP/IP
インターネットで使われる通信の決まりごと一式。IPアドレスはその中の住所の役目
DNS
名前とIPアドレスを対応づける仕組み。人は名前で、機械は番号で扱う
プライベートIPアドレス
組織や家庭の中だけで使える番号。外へ出るときは別の番号に付け替える
NAT
中で使う番号と外で使う番号を付け替える仕組み。1つの番号を複数台で共有できる
IPv6
128ビットに拡張された新しいIPアドレス。IPv4が足りなくなったために作られた

ミニクイズ

IPv4のIPアドレスの表記として、正しくないものはどれか。

正解は 2番:192.168.256.1

IPv4のIPアドレスは32ビットを8ビットずつ4つに区切って書きます。8ビットで表せるのは0から255までなので、256という数字はどの位置にも入りません。これが最も分かりやすい誤りの作り方で、選択肢に256以上の数が混ざっていたら、その時点で除外できます。10.0.0.255 は末尾が255ですが、値としては正しい範囲内です。ネットワークによってはブロードキャストアドレスとして予約されますが、表記そのものが誤りというわけではありません。

間違えた用語の復習リストを見る →

最終更新:2026-09-16