主記憶(main memory)

実行中のプログラムとデータを置いておく記憶装置。電源を切ると中身は消える。

もう少し詳しい説明

主記憶は、いま実行中のプログラムとデータを置いておく場所です。単に「メモリ」と呼ばれることも多く、パソコンの仕様に書かれている「メモリ 8GB」は、この主記憶のことを指しています。

とても速い速いCPU計算するキャッシュSRAM主記憶DRAM
CPUは計算をするだけで、データそのものは持っていません。すぐ隣に置いてある小さくて速い入れ物がキャッシュメモリ、その先にある大きくて少し遅い入れ物が主記憶です。パソコンの「メモリ8GB」はこの主記憶のことを指しています。

CPUの中にもレジスタという記憶領域はありますが、置けるのはごくわずかです。そのため、いま動かしているプログラムとデータは、まとめて主記憶に置いておき、必要なぶんだけ読み出します。

電源を切ると消える

主記憶のいちばん大事な性質です。

主記憶補助記憶(SSD・HDD)
電源を切ると消える(揮発性)残る(不揮発性)
速さ速い遅い
容量小さい(GB単位)大きい(TB単位)
役割いま使うものを置くずっと取っておく

作業中のファイルを保存せずに電源が落ちると内容が失われるのは、まだ主記憶にしかなかったからです。保存するとは、補助記憶へ書き写すことを指しています。

記憶階層の中での位置

主記憶は、記憶装置の並びのまん中あたりにあります。

レジスタCPUの中キャッシュメモリSRAM主記憶DRAM補助記憶SSD・HDD速い・値段が高い・容量が小さい遅い・値段が安い・容量が大きい
上へ行くほど速いかわりに、同じ容量あたりの値段が高くなるので、容量を大きくできません。下へ行くほど値段が安く大量に置けますが、そのぶん遅くなります。だから全部を一番速い部品にはせず、よく使うものだけを上に置きます。

上へ行くほど速いかわりに高く、容量を大きくできません。下へ行くほど安く大量に置けますが、遅くなります。

主記憶より上(キャッシュ)は速度差を埋めるため、下(補助記憶)は容量と保存のためにあります。この上下関係が、キャッシュメモリと仮想記憶の両方につながります。

DRAMとSRAM

主記憶に使われるのは DRAM、キャッシュメモリに使われるのは SRAM です。ここは名前と性質がそのまま問われます。

DRAMSRAM
記憶のしかたコンデンサに電荷を蓄えるフリップフロップ回路
リフレッシュ必要不要
速さ遅い速い
値段・容量安い・大容量にしやすい高い・小容量
使われる場所主記憶キャッシュメモリ

リフレッシュとは、蓄えた電荷が時間とともに抜けてしまうので、定期的に読み出して書き直すことです。DRAM の D は Dynamic(動的)で、この「放っておくと消えるので手を入れ続ける」性質から来ています。SRAM の S は Static(静的)で、電源がある限りそのまま保たれます。

Dはダイナミック=リフレッシュが要る。 ここだけ結び付けておけば、2つを取り違えません。

足りないとどうなるか

主記憶が足りないと、プログラムを動かせません。そこで、足りないぶんを補助記憶で肩代わりする仕組みが用意されています。これが仮想記憶です。

ただし補助記憶は主記憶よりけた違いに遅いので、肩代わりが増えるほど全体が遅くなります。「メモリを増やすと動作が軽くなる」と言われるのは、この肩代わりが減るからです。

覚え方:机の上

記憶装置の関係は、机で考えると通ります。

帰るときに机の上を片づける(電源を切る)と、広げていたものは無くなる。 引き出しにしまったものだけが残ります。これが揮発性と不揮発性の違いです。

試験ではこう出る

科目A(旧・午前)のコンピュータ構成要素の分野で出ます。多いのは、DRAMとSRAMの違いを問う問題と、記憶階層の順序(レジスタ・キャッシュ・主記憶・補助記憶)を並べさせる問題です。ITパスポートでは、揮発性か不揮発性かを問う形で出ます。応用情報では、メモリインタリーブなどの高速化の工夫まで広がります。

判断の軸は2つです。主記憶はDRAM・揮発性・容量は中くらい、そしてキャッシュはSRAM・リフレッシュ不要・高速。選択肢に「リフレッシュが必要」とあればDRAM、「電源を切っても保持される」とあればフラッシュメモリやROMなどの不揮発性メモリの説明で、主記憶に使うDRAMの説明ではありません。

関連する用語

キャッシュメモリ
CPUと主記憶のあいだに置く、小さくて速い記憶。速度差を埋めるためにある
補助記憶
SSDやHDD。電源を切っても消えないが、主記憶よりけた違いに遅い
仮想記憶
補助記憶を使って、主記憶より大きなメモリがあるように見せる仕組み
DRAM・SRAM
主記憶に使うのがDRAM、キャッシュに使うのがSRAM。速さと値段が違う
記憶階層
レジスタ・キャッシュ・主記憶・補助記憶の上下関係。上ほど速くて小さい

ミニクイズ

主記憶に用いられるDRAMの説明として、最も適切なものはどれか。

正解は 3番:コンデンサに電荷を蓄えて記憶し、内容を保つために定期的な再書込み(リフレッシュ)が必要である

DRAMはコンデンサに電荷を蓄えて1ビットを記憶します。電荷は時間とともに抜けていくため、定期的に読み出して書き直すリフレッシュが必要です。構造が単純なので大容量にしやすく、主記憶に使われます。「フリップフロップ回路で記憶し、リフレッシュ不要」はSRAMの説明で、高速なぶん高価なのでキャッシュメモリに使われます。「電源を切っても保持され、書換え回数に上限がある」はフラッシュメモリ(SSDなど)の説明です。「磁気を利用し、円盤を回転させる」はハードディスクの説明で、いずれも主記憶ではありません。

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最終更新:2026-09-23